2023年度(令和5年度)講義概要―シラバス―

保育の心理学 (科目記号:EEK101)

寺川夫央

卒業/修了要件 授業形態 単位数 配当年次 開講期間
必修科目 講義 2単位 1年 前期

学位授与の方針との関連

2 専門的知識・技能、主体性、協働性
3 思考力、判断力、表現力、保育実践力

授業科目の目的・テーマ

1 乳幼児をはじめとする子どもの心身の発達の過程及び特徴を理解する。
2 保育実践にかかわる発達理論等の心理学的知識を踏まえ、発達をとらえる視点について理解する。
3 子どもの発達にかかわる心理学の基礎を習得し、養護及び教育の一体性や発達に即した援助の基本となる子どもへの理解を深める。
4 乳幼児をはじめ、子どもの学習、学びの過程や特性に関する基礎的な知識を身につけ、発達を踏まえた学びを支える援助・指導について、基本的な考え方を理解する。
5 保育にかかわる心理学的知識をもとに、保育における人との相互的関わりや体験、環境の意義を理解する。
本授業科目のテーマとして、子ども観・保育観、代表的な発達理論、身体・運動・認知・情緒・自己・言語・社会性等の発達、記憶・学習(学び)・欲求・動機付けの在り方や過程をとりあげる。

授業修了時の到達目標

1 乳幼児をはじめとする子どもの心身の発達に対する外的及び内的要因の相互作用、発達に関する代表的理論を踏まえ、発達の概念及び教育・保育における発達理解の意義を理解している。
2 乳幼児から青年期の各時期における身体・運動・認知・情緒・自己・言語・社会性の発達について、その具体的な内容を理解している。
3 様々な学習(学び)の形態や概念、その過程を説明する代表的理論の基礎を理解している。
4 主体的な学びを支える動機付け、集団づくり(友達関係)、学びの評価の在り方について発達の特徴と関連づけて理解している。
5 乳幼児をはじめとする子どもの心身の発達を踏まえ、主体的な学びを支える援助・指導の基礎となる考え方を理解している。
6 グループワーク、時間外学習等において自分の考えや学習したことを適切に表現することができる。

授業内容の全体計画

第1回:「保育の心理学の学び方」 授業および時間外学習 グループワーク等学習者同士の学び合いについて(説明・グループワーク) 
第2回:「子どもの発達を学ぶのはなぜか」 発達を学ぶことと保育実践のつながりを考える  
第3回:「子どもの見方、とらえ方ー子ども観 保育観」 歴史の中に見る子ども、生物・文化的視点、保育との関連から発達をとらえる 
第4回:「子どもの発達と環境―遺伝・成熟と環境・学習」 相互作用説、初期経験の重要性について学ぶ
第5回:「からだの発達と運動機能―身体・運動発達」乳幼児期の発育段階、発達の原則、基本的生活習慣の自立について学ぶ 
第6回:「見ること・考えることの発達―認知発達」ピアジェの認知発達理論をもとに乳幼児の知的発達を学ぶ
第7回:「情緒の発達と自己の形成」乳幼児の情緒の発達と自己の形成と自己意識の確立について学ぶ
第8回:「ことばの発達―言語発達」ことばを聞く力、発声、ことば以前のコミュニケーション、話しことば、書きことばの発達を学ぶ 
第9回:「基本的信頼感の獲得」養育者との関係をもとにした愛着の形成と発達、基本的信頼感について学ぶ
第10回:「人とのかかわり―社会性の発達」心の理論、愛他行動の発達について学ぶ
第11回:「友達関係と遊びの発達」対人関係の広がり、友人関係の発達、子どもの遊び、ふざけ、いざこざの意味を学ぶ
第12回:「記憶の発達」記憶のしくみ、記憶の容量、記憶の種類、記憶の発達、メタ記憶について学ぶ
第13回:「学びのしくみ―学習の過程」学習、条件づけ、古典的条件づけ、オペラント条件づけ、観察学習(モデリング)について学ぶ
第14回:「やる気と環境―欲求と動機づけ」欲求、欲求階層説、外発的動機づけ、内発的動機づけ、自己効力感について学び、やる気を育てる保育環境づくりを考える
第15回:「発達援助と評価」発達援助の意義、保育実践の評価の方法、保育のPDCAサイクルの概要を知る
定期試験

授業時間外の学習(予習・復習等)

事前学修
毎回、授業終了時に事前学習のための資料を配布するので授業に臨む前にテキストの該当箇所を参照して学習する(各回2時間)。
次回のグループワークのテーマについての個人ワークとして、自分の意見や考察を文章でまとめる(各回0.5時間)
事後学修
授業時に行った小テストの見直しと再学習(各回0.5時間)。
授業時の講義およびグループワーク、テキスト、配布資料等をもとにキーワード等を整理し、理解を深め、得た知識を活用し言葉や文章でまとめる(各回1時間)。

単位認定に関わる評価方法

筆記試験 70%(定期試験50% 授業内または事前事後小テスト20%)
提出物(時間外学習の資料を定期試験後に提出) 10%
講義・グループワーク等への参加姿勢・態度(講義内での質疑応答、グループおよび全体討議での発言内容、時間外学習への取り組み姿勢等) 20%

受講生に望むこと

心理学は誰にとっても身近な学問です。これまでに培った知識、経験をもとに用語や概念の理解を進めてほしいと思います。授業では、学生の皆さんが主体的に参加できるようにペアワーク、グループワークを取り入れますので自分が学んだこと、考えたことを言葉にし、相手に伝えるコミュニケーションスキルを高めてください。なお、グループワークなどで知りえた他者の情報の取り扱いには十分に留意しましょう。

フィードバックの方法

第2回~第15回までは毎回小テストを行い、直後に解答し、解説する(時間外学習として行う場合がある)。
コメントシート等は毎回提出し、必要に応じて教員からのコメントを付す。
定期試験は成績手交日に各自に採点結果のコピーを返却し、模範解答を掲示する。

アクティブラーニング

毎回、各回のテーマに沿ったグループワークを実施し、全体討議を行う。 

テキスト

『保育の心理学 第3版 子どもたちの輝く未来のために』 相良順子・村田カズ・大熊光穂・小泉左江子 著 ナカニシヤ出版

参考文献

『幼稚園教育要領解説』 文部科学省 フレーベル館
『幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説』 内閣府・文部科学省・厚生労働省 フレーベル館
『保育所保育指針解説』 厚生労働省 フレーベル館
『保育のための教育心理学 第2版』 坂原明(編) おうふう
『エピソードで学ぶ 赤ちゃんの発達と子育て』 菅野幸恵・塚田みちる・岡本依子 著 新曜社
『図で理解する 発達 ―新しい発達心理学への招待―』 川島一夫・渡辺弥生 著 福村出版

実務経験の有無

備考

本科目は教職に関する科目のうち教育の基礎理論に関する科目、また、保育士養成における保育の対象理解に関する科目である。ピアヘルパー資格を取得するための要件単位でもある。
「子ども家庭支援の心理学」でも本テキストを使用する。

オフィスアワー

火・15:00~16:30

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